【ビッグモーター】ノルマ達成のために不正の数々…ただただ残念でなりません。
私は「元大手クルマ買取屋の店長」の肩書を持っています。
ここでは企業名は伏せますが、今でもよく聞く有名企業です。
もちろんクルマの買取りだけではなく、「販売」や「整備・メンテナンス」に関しても携わっていました。
今でもその時のお客様から連絡を頂く事があります、ただただ感謝です (*^^*)
そんな中、同業者の「ビッグモーター」が世間を騒がせている件について…
お話ししていこうと思います。
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ビッグモーター
ビッグモーターは、私が自動車業界に入った頃から名前を聞く様になりました。
そのうちに一括査定の現場で何回か「かち合った」こともよくあり、同時の営業さんともよく話をした事もありました。
当時は買取りにも力を入れていて、価格競争で負けた経験もあるので非常に印象に残っています。
そして今では、誰もが知る「大企業」になっています。
保険金不正請求問題
今ビッグモーターで騒がれているのが「保険金不正請求」の件なのは有名な話です。
じゃあ実際にどのような不正行為なの? っておはなしですよね。
キズを付ける・凹ませる・壊す
クルマの点検や修理を依頼された際に…
- 紙やすりなどを使ってクルマに傷をつける
- 靴下にゴルフボールを入れてクルマを叩いたりする
- ライトの付け根をハンマーで叩いて壊す
- ドライバ―などでタイヤに穴をあける
上記の様な内容で車両を故意に傷つけ、本来交換不要な部品を交換したり不要な修理を追加する。
その上で、自動車保険の保険金を不正に請求していた事が分かっています。
ちなみに、全国33カ所の整備工場の全てで不正請求があったとされています。
上からの指示
ビッグモーターの修理担当の従業員に行われたアンケート調査では、約3割が「不正な作業に関与した」と回答しています。
そしてその中のさらに6割が「上司からの指示」と回答していることがわかりました。
修理の工賃や部品の利益などの合計額が、「ノルマ」として設定されていました。
そのノルマは、「1台当たり14万円前後」を達成するよう要求されていたといいます。
このように「ノルマ達成を優先するあまり、法令順守の意識が希薄化していったことがうかがえる」としています。
ノルマとは?
工賃とは、そもそも「車両の損傷状況によって決まる」ものです。
しかし板金や塗装部門の本部は、「営業努力で1台当たり14万円前後を達成する事をノルマ」として設定していました。
問い詰められ…
ある時、目標未達の理由を問い詰められるのに耐えかねた工場がありました。
そしてその工場を中心に、損傷があると見せかける写真を撮って修理代を水増しする不正行為が始まります。
さらに「工場長同士の情報交換」によって、さまざまな手口の不正が広まったとされています。
売上向上が最優先
今回の不正の原因は、「会社が売上向上を最優先としていた」事が一番と考えられます。
上から直接的に「不正をしろ」という指示はないにしても、目標達成に向けては不正をせざるを得なかった。
以前には不正を告発
実は以前には従業員が経営陣に対し、不正を告発したことがありました。
しかし経営陣は真偽に関して特段の調査も行わないまま、結果的には「もみ消した」と言われています。
社長が報酬全額を1年間返上
2023年7月18日、同社の兼重宏行社長が報酬全額を1年間返上する方針であると、『共同通信』が伝えました。
また社長以外では、副社長が報酬の50%、専務が30%などをそれぞれ返上するとしています。
しかし私的な考えとしては「それだけで済む話なのか?!」と言うところです。
ハッキリ言って「経営陣を総入れ替え」しても、信頼は戻らないのではないでしょうか。
結論
今回の事件は「起きるべくして起きた」事件の典型的な形ではないかと思います。
しかも社内だけの話に留まらず、大事なお客様を巻き添えにしてしまっていると言う事!
これは「お金だけの話」では、社会や世間は許さないと思います。
私も「元同業者」として、怒りしかありません!
この事件のお陰で、他の同業者も同じ目で見られる可能性だってあります。
いや、既に同じ目で見られているかもしれません。
たくさんの従業員を抱えている大企業なので、会社をつぶしてしまえとまでは言えません。
しかし今の現状だけでは、この先なにも変わらないのではないかと考えます。
どうやって失った信用を取り戻すのか、今以上の信頼をえられるのか。
これは10年や20年では、どうにかならないレベルの話だと私は思っています。
一個人の私は、ただただ見守る事しかできません。
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