【ビッグモーター】数々の不正や疑惑について「元同業者の私」が解析します
ここ最近メディアでもかなり話題になっている「ビッグモーター」のついて、お話させて頂きます。
クルマにあまり詳しくない方や女性の方でも、この名前を聞いた事はあるのではないでしょうか?
ビッグモーターが起こしてきた「数々の不正や疑惑」について、改めてお話していきます。
スルーしようとも考えましたが私も「元同業者」なので、ここはスルーしてはいけないなと感じました。
それでは興味のある方は、是非ともお立ち寄りください!!
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ビッグモーター
ビッグモーターは東京都港区に本社を置く、自動車の買取りをはじめとした「自動車関連なんでもござれ」の会社です。
昭和53年に設立したこの会社は、現在では「業界最大手」にまで上り詰めています!!
テレビやラジオのコマーシャルでも芸能人を使用して、大々的に宣伝活動もしています。
以下にビッグモーターの概要をまとめました。
会社名 | 株式会社ビッグモーター |
代表者 | CEO(最高経営責任者)兼重 宏行 |
本社所在地 | 〒106-6120 東京都港区六本木6-10-1六本木ヒルズ森タワー20F |
業務内容 | 国産車・外国車の中古車・新車販売及び車両買取業務
車検・一般整備及び板金塗装業務 損害保険代理店及び自動車関連業務 |
設立 | 昭和53年5月 |
資本金 | 4億50百万円 |
取引銀行 | 三井住友銀行・広島銀行・三菱UFJ銀行・みずほ銀行・中国銀行・他 |
従業員数 | 6,000名(2021年2月時点) |
ビッグモーターの不正
ぶっちゃけ言ってしまうと、以前からビッグモーターの不正に関しては「ちょいちょい」聞いていました。
しかし4月末にフライデーが報じた記事で、一気に世間に拡散される事となります。
その内容は…
『追及スクープ! 〝中古車販売業界の雄〟ビッグモーターが「客のタイヤ」に穴を空けていた「衝撃動画」』
と言うものでした。
タイヤを故意にパンクさせる
客のタイヤにネジを突き立て故意にパンクさせ工賃を請求したり、高級モデルのタイヤに取り替えたとウソをついて安価なタイヤとの差額を利益にしていたと報じました。
ネジを挿す場所を細かく指示して、整備士同士の中で指導している様子です。
保険会社へ申請するための、写真撮影角度などの指導説明もあったともされています。
※引用フライデー
オイル交換はした事にしておく
オイル交換などに至っては、「交換した事にしておく」と言うもの。
呼んで字の如く、オイル交換をしたことにして「オイル代と工賃をマルマルと利益」にしていたようです。
その内容に関しては、その時のメッセージアプリのスクショも残ていたそうです。
※引用フライデー
事の全ては「内部告発」
今回公になったビッグモーターの不正は、「内部告発」であったことが分かっています。
ビッグモーター関係者からの内部通報により、過剰な車両修理が複数実施されている事が明らかになりました。
そこで取引のある保険会社が調査したところ、約80件もの疑わしい案件が発覚したとのことです。
ただ過剰な車両修理については昔から線引きが難しく、顧客に対するサービスの一環として実施されることもあります。
そのため、どの販売店においても保険修理時に過剰な車両修理が無いとは言い切れないのも現状です。
今回のビッグモーターの疑惑は、複数の拠点で疑わしい多くの案件が見つかっています。
その結果、組織的かつ悪質なケースが問題視されています。
ビッグモーターの不正は今回が初めてではない
冒頭でもお話しましたが、ビッグモーターの不正は今回が初めてではありません。
私も「ちょいちょい」耳に入っておりました。
2016年12月に産経新聞は「自動車保険契約の目標額を下回った販売店の店長が、上回った店長に現金を支払う『慣行』があること」を伝えました。
また翌年2月には続報として「この『慣行』は収益性の高い保険手数料を獲得するために兼重宏行社長の強いリーダーシップの下、行われていた」と伝えています。
昨年から今年にかけては、東洋経済も「損害保険会社への修理費の水増し請求があったこと」を特集しています。
そして今年3月には朝日新聞・熊本放送・熊本日日新聞がそろって「車検で必要な検査の一部を実施せず不正合格させたとして、九州運輸局が熊本浜線店の民間車検場の指定を取り消した」ことを報じています。
ビッグモーターの不正の背景として
ビッグモーターの不正の背景については、大きく3つの要因が考えられます。
順を追って、解説していきましょう。
- 板金修理の利益率の高さ
- 車両点検や修理は自社で完結
- 内部統制の甘さ
1.板金修理の利益率の高さ
中古車業界は競合が激しく、正直な所「車両単体での粗利」は大きく見込めません。
そのため、どの会社も「整備やオプションなどの付帯費用」で収益確保を見込みます。
中でも板金修理などは、収益をしっかりと確保できるひとつです。
そしてビッグモーターは板金工場を自社で持つことから、特に利益率を高くする事が可能になります。
しかしビッグモーターの各店舗の利益目標は非常に高く、各部門長は日々数字に追われているという噂も聞きます。
店舗ごとの高い利益目標を達成するためには、板金修理でしっかりと利益を確保しなければなりません。
車両単体の利益率が低く利益率の高い板金作業に注力してきた結果、各店舗における過剰な作業につながったのではないかと考えます。
2.車両点検や修理は自社で完結
ビッグモーターの特徴として「自社の大型販売店に板金工場を併設し、車両修理が完結できる」ということがあります。
ガリバーやラビットなどの他社大手は、自社で板金工場を保有せず「板金修理は提携する整備工場に依頼」しています。
仮に提携する整備工場に依頼する際に、明らかに過剰な作業があると「さすがにこれはまずいでしょ…」となりますよね。
ビッグモーターでは第三者の目が入らず、全ての作業を内々で完結出来てしまいます。
そのため、過剰な作業への指摘が甘かったのではないかと考えます。
3.内部統制の甘さ
ガリバーやラビットなどが東京証券取引所に上場しているのに対し、ビッグモーターは上場していません。
上場企業には四半期ごとの決算開示に加え、「自社での内部統制システムを確立し報告する義務」があります。
内部統制とは、「企業不祥事を防ぎ、業務の適正を確保するための社内体制」であり、会計監査人である監査法人からもチェックされます。
何が言いたいのかと言うと…
上場企業であれば必須とされている内部体制のチェックが、非上場であるビッグモーターでは十分に機能していなかったと考えられます。
まとめ
今回は「ビッグモーターの不正」について、お話させて頂きました。
いつもと違う内容になってしまいましたが、最後まで読んで頂き有難うございます。
私も20年近く前はビッグモーターの同業他社で店長をやっていたので、どうしても気になってしまい記事にしました。
正直な所…どの業界も同じだとは思いますが…
特に自動車業界は「ノルマ」がハンパないんです(´;ω;`)
私が店長をやっていた店舗の会社でも販売・買取り・整備のノルマは、正直メチャクチャ高かったです。
しかし、だからと言って不正を行っていいという事にはなりません。
ちなみに私がお店を退職する少し前あたりから、ビッグモーターは勢力を挙げてきたイメージがあります。
一括買取で現場でバッティングした時は、ビッグモーターに負けた事も何回もありました(;^ω^)
せっかくここまで大きくなった会社なのに、元同業としても「もったいない」と思っています。
この先の動向が気になる所ですが、また動きがあれば記事にしたいと思います。
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